第五章

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》バサッバサッ 》ザーーーッ 斎藤さんに手伝ってもらうことになった洗濯。 斎藤さんの提案で、私が洗い、斎藤さんが干すことに。 「斎藤さん!あと五着くらいです!」 「…わかった……こっちも順調に干せている。」 》バサッバサッ 》ザーーーッ 》バサッバサッ 》ザーーーッ 「っとぉ…終わりましたー!」 「…高宮…干すのを手伝ってもらえるか?」 「あ。はーい。」 》ジャバジャバーッ 私は洗濯で使った水を捨て物干し竿に向かった。 「…斎藤さん…これは…」 「…ん?…何か変か…?」 「斎藤さんって…不器用ですか…?」 「なっ!…器用ではないが…」 私がこう言ったのには理由がある。 「…斎藤さん。」 「…なんだ…?」 なぜなら… 「…洗濯の干し方がグチャグチャです。」 「っ!……やはりバレてしまったか…」 …え!?そんな汚い干し方でバレないとでも!? (※どの程度かはご想像にお任せします。) 「はぁ…干すのはやり直しですね。」 「…すまない…」 「大丈夫ですっ! にしても、斎藤さんって洗濯苦手ですか?」 「…苦手というか、あまりしないから慣れていない…」 洗濯って慣れでやるものだっけ?(笑) 「…あと、石鹸の泡が手につくのとか、泡がかなりでてくるのが気持ち悪い…」 「そんなこと言ってたら、洗濯できないじゃないですか(笑)」 「…ほっ…干すことなら…」 「その干し方じゃ、乾きませんよ(笑) …ここは広げて、隊服の袖の穴と、もう片方の穴を物干し竿に通して…ほら!綺麗になった!」 「…そうするべきだったのか!…」 「はい。斎藤さんやってみてください!」 「あぁ。…袖の穴ともう片方の穴を通す………こうか?」 「そうです!斎藤さん、上手です!」 「そっ…そうか?…よし。では残りもやろう。」 「はい!」 …斎藤さんが洗濯苦手とは… 意外だったなぁ(笑) 私が教えてあげたポイントを、一生懸命思い出して干していた斎藤さん。 なんか新しいオモチャを一生懸命使い方を考えて使う子供みたいで可愛かったなぁ(笑)
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