0人が本棚に入れています
本棚に追加
「こら!いい加減起きなさーい!」
穏やかな朝の中、一際大きく響く声。剥ぎ取られる布団。
心地良い温かさを奪われ、俺は「うー…」と唸り声を上げた。勿論、起きるつもりはない。抵抗の意味も兼ねて、俺は枕にしがみつく。
「いつまで寝てんの!大地はもう学校行ったよ!?」
声は止む気配がない。当然だ。こいつのしつこさというか、生真面目さは相当なモンだからだ。今まで、勝てた試しがない。
しかし、俺も男だ。今日こそは、こいつに勝ってみせる!
「……そうやって起きないつもりなら、冷蔵庫のプリン、食べちゃうからね」
「おおおはようございます!」
負けた。
最初のコメントを投稿しよう!