1章.平穏が終わるとき

3/22
前へ
/45ページ
次へ
俺の名前は柳翔。14歳。中学二年。 朝寝坊はする、頭は悪い、運動音痴の悪い三拍子が揃っているのが特徴だ。…自分で言ってて、悲しいけど。 んで、さっきからギャーギャー五月蝿かったのは、武藤鈴音。高校一年の、近所のねーちゃんだ。 鈴音は、小さい頃から何かと俺の面倒を見ようとする。その流れで、今日もこうしてなかなか起きない俺を起こしに、わざわざ家の俺の部屋に───しかも無断で入ってくるのだ。 俺にプライバシーはないんですか、鈴ねーちゃん。 そんで、俺には双子の弟がいる。 柳大地。俺と違って頭は良いし、運動もできるし真面目な奴だ。 まあ、兄の出来が悪いと弟の出来が良くなるのは、自然の摂理だよな。うん。
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加