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皇(みかど)も、既に此処には、いない。
とうに、私の居場所も此処にはない様な気がしていた。
思い切って、自分の此からの道を目指すべく蘭学を勉強に長崎へ行く決心をした。母は、涙を溜めていた。父は、寡黙していた。が、やがて、父から出た言葉は、是からの日本は、平等の社会で有る事。逡巡することなくこれからの時代は、教育に力を入れなければ、やがて、社会から、孤立するであろう事を語った。
父は、意を決する様に一言だけであった。
『君の気持ちは、分かった。私達からは、そこ迄君の気持ちが決まっていたなら、もう、何も言わん。只、是だけは、言っておく。他人を巻き込む事件、事故は、するな。それは、私達の迷惑とかじゃなく、君の為に将来関わって来るからである』旨を言われた。
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