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自殺少年と自殺少女
ああ、俺は駄目だ。人に迷惑をかけることしかしていない。きっとこれからもそうだろう。それならばいっそ……。
そんなことをもう何度考えたことだろう。そう考えつつも立ち尽くすだけの自分に、もう何度嫌気がさしたことだろう。
あと一歩踏み出せば、この体は地へと引き寄せられ、魂は天へと上ることになるのに。……いや、自殺は大罪だから、魂もまた地へ、かな?
とにかく自殺をしようと屋上へ行き、フェンスを乗り越えたのはいいものの、そこから先へと進めないのだ。すでに屋上へやってきた時よりもだいぶ暗くなり、先程まではただの家だった場所が色とりどりに輝き始めてしまった。
もしかすると心の底では誰かがやってきて止めてくれるのを待っているのかもしれない。そうして生きる希望を取り戻す、なんて安いドラマのような展開を心待ちにしているのかもしれない。
誰かに構ってほしいだけじゃないか。なんて小さな人間なんだ。
いっそ誰かが来て突き落としてくれたらいいのに。そんな思いと共に校内へと続く扉を見つめていると、不意にそれはあの特有の音とともにその口を開けた。
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