閉鎖病院

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先月、近所の病院が閉鎖した。 とても小さい、でも救急病院で、老人はずっとそこを利用してたってのが多くて。 ボクは、外から覗いた時の病院内の暗さが怖くて近寄らなかったけど…けして利用者の少なくない、街のお医者さんだった。 その病院が、ある日いきなり閉鎖宣言したんだ。 入院患者を余所の病院へ移し終わると、病院は備品も放置で閉鎖した。 人がいなくなった病院は、それでもそこにあり続け、取り壊される気配は微塵にもなかった。 ボクも友人も、その病院の事なんて気にかけず生活していた。 学校の帰りとか病院の前を通ったりもしたけど、閉鎖前同様「ソコにある」以上の認識はなく、風景の中のパーツにすぎなかった。 それに気づいたのは本当に偶然。 ペットボトルを落とさなきゃ、それには一生関わる事はなかったと思う。 車椅子が、あったんだ。
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