7人が本棚に入れています
本棚に追加
先月、近所の病院が閉鎖した。
とても小さい、でも救急病院で、老人はずっとそこを利用してたってのが多くて。
ボクは、外から覗いた時の病院内の暗さが怖くて近寄らなかったけど…けして利用者の少なくない、街のお医者さんだった。
その病院が、ある日いきなり閉鎖宣言したんだ。
入院患者を余所の病院へ移し終わると、病院は備品も放置で閉鎖した。
人がいなくなった病院は、それでもそこにあり続け、取り壊される気配は微塵にもなかった。
ボクも友人も、その病院の事なんて気にかけず生活していた。
学校の帰りとか病院の前を通ったりもしたけど、閉鎖前同様「ソコにある」以上の認識はなく、風景の中のパーツにすぎなかった。
それに気づいたのは本当に偶然。
ペットボトルを落とさなきゃ、それには一生関わる事はなかったと思う。
車椅子が、あったんだ。
最初のコメントを投稿しよう!