閉鎖病院

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一行は屋上から始まり、各階の各病室をゆっくりと見て回った。 途中、ナギサはこの病院内での幽霊話をしながら、丁寧に院内を案内してくれた。 302号室の窓には足を切断したショックで自殺した女が出る。 二階のトイレには血を吐き続ける幼女が出る。 受付の窓からロビーを見渡すと黒づくめの背の高い男がいつも同じ場所に立っているのが見える。 どれも恐ろしく、まさにその現場にいるという事が余計に肝を冷やさせる。 実際にそれが見えるわけではないのだが…。 『残りは地下、霊安室よ』 流石にナギサも地下には行った事がないらしく、しかし一人では怖くて行けなかった。 地下への階段の前を行ったり来たりしているところに、ユウジがずかずかと歩いてきたらしい。 『ね、勿論行くよね?』 『勿体付けてねーでさっさと行こうぜ』 ユウジが階段を降りようとした時、ボクのリュックが鳴った。 中に入れてある携帯が鳴っているのだが、やけに音が大きく聞こえた。
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