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ミサキは馬鹿馬鹿しいと思った。
今、ミサキの目の前では四人の女子が机を囲み座っている。
机の上には丸文字でかかれた五十音順のひらがな、数字、はいといいえと鳥居。
その鳥居の上には十円玉…そう、狐狗狸さんである。
準備の整った机を挟んで、誰が進行やる?早く指置きなよ。やーんこわーい!などと言い合いながら、もう十分は過ぎようとしていた。
高校、夏休み、利用者のいない図書室。
ミサキは図書委員というだけで、夏休みの貴重な午後の時間をこの場所で潰す事になっている。
とはいえ、ここはクーラーもきいていて先生も来ない。
好きなだけ本を読めるとくれば悪い話でもないのだ。
ただし、今日は四人も人がいて、狐狗狸さんの為に窓を開ける為クーラーは切る羽目になり、おまけにうるさくて本に集中できない。
どうせ他に利用者はいないんだし、直ぐに飽きて帰るだろうと思い直し、無駄な労力と争いを避ける為に放置と決めた。
放置しなけりゃよかった…。
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