3人が本棚に入れています
本棚に追加
彼女達は変化に気づかない様子で、談笑を交えながら再開した。
すると今度はすぐに変化が現れ、期待に満ちた歓声が上がった。
「何聞く?」
「テストの事とか?」
「そんなのつまんないよー」
ミサキには、彼女等の会話は遠い世界の声にしか聞こえなかった。
もう、何も考えるまいと下を向き、終わるのをひたすら待った。
不意に、ガタッという音が、奥の本棚スペースから聞こえた。
ビクッと顔を上げれば、彼女等にも聞こえたらしく、テンションがさらに上がったようである。
「それじゃ、あの先生の…」
「孝君の好きな…」
「チケットとれるかな」
質問をする毎に音は大きく、頻繁に聞こえるようになっていく。
彼女等は慣れてしまい気にしなくなったようだが、ミサキはに生きた心地がしなかった。
「それじゃあ…アレ、きこうか」
進行係が勿体付けた口振りで言うと、三人はニヤリと口元を歪ませて頷いた。
嫌な予感がした。
「安岡を殺してくれますか」
最初のコメントを投稿しよう!