そこにいるの

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彼女達は変化に気づかない様子で、談笑を交えながら再開した。 すると今度はすぐに変化が現れ、期待に満ちた歓声が上がった。 「何聞く?」 「テストの事とか?」 「そんなのつまんないよー」 ミサキには、彼女等の会話は遠い世界の声にしか聞こえなかった。 もう、何も考えるまいと下を向き、終わるのをひたすら待った。 不意に、ガタッという音が、奥の本棚スペースから聞こえた。 ビクッと顔を上げれば、彼女等にも聞こえたらしく、テンションがさらに上がったようである。 「それじゃ、あの先生の…」 「孝君の好きな…」 「チケットとれるかな」 質問をする毎に音は大きく、頻繁に聞こえるようになっていく。 彼女等は慣れてしまい気にしなくなったようだが、ミサキはに生きた心地がしなかった。 「それじゃあ…アレ、きこうか」 進行係が勿体付けた口振りで言うと、三人はニヤリと口元を歪ませて頷いた。 嫌な予感がした。 「安岡を殺してくれますか」
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