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次の日、彼は彼女と、いや、彼女の顔と一緒にいた。
彼はただ、ひたすらに彼女の顔を見つめていた。
彼の手には銀色がまだ光っていた。
最初のような輝きはなく、赤黒く、そして鈍く光っていた。
――やることはやった。どうする?
「…。」
彼は黙って立ち上がり、彼女の顔を付け、銀色を首に当てた。
――答えはそれか、成る程、俺らしい。
「…お前も消えるのか?」
――さあな、知らん。
「…そうか」
――サヨナラだ。彼女に謝れよ。
「解ってる、それじゃ」
「さよなら」
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