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ずずずっ
どんどん引っ張られる背中、メキメキと嫌な音を立てる背骨。
ミノリは既に叫び声すらあげられず、残った腕だけが虚しい抵抗を続ける。
しかし、それもやがて動かなくなり、ミノリの背骨は鈍い音をたて、折れた。
かはっと空気の漏れるような声、それがミノリの断末魔だった。
その後、穴はミノリの体を飲み込んでいく。
時折噛み砕くような動きをしながら、おかしい場所でくの字に折れたミノリの体は、ゆっくり時間をかけて食われていった。
辺りにはめきゃめきゃと骨の折れる音、べちゃっと血液の落ちる…。
残るは脚のみとなった頃、次の獲物は既に選ばれていた。
そう、君だ。
さぁ、君はこの穴を覗くかね?
この穴に腕を入れ、向こう側の世界を探ってみるかね。
覗き込むも良し、餓死を待つも良し。
君の選ぶ道を、意志を尊重してあげる。
ん?僕かい?
僕は
君を食べる補食者さ。
ずっと君の傍で見ててあげる。
君の恐怖に狂う姿をネ。
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