3人が本棚に入れています
本棚に追加
「あなたもですか」
警官は派出所で温かいお茶を淹れながら困り顔。
女性の姿は見えていず、真奈美が体を乗り出しているところだけを目撃していた。
「あの場所は魔所でねぇ、自殺者が後を絶たんのですわ。見通しも良いし人目に付くのにも関わらずねぇ」
真奈美はあの光景を思い出し、仲間に加えられるところだったのかとゾッとした。
「ただぁ…前にもアンタみたいな人居たんだけどね、その人は横に、黒いシャツの男が立っていたっていうんですわ」
順番がずれたんでしょうかねぇ…と警官は言った。
もう二度と、あの橋で死にたいなんて考えない。
真奈美は月すらない真っ暗な空を眺め、心に決めた。
―終―
最初のコメントを投稿しよう!