落ちる人

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「あなたもですか」 警官は派出所で温かいお茶を淹れながら困り顔。 女性の姿は見えていず、真奈美が体を乗り出しているところだけを目撃していた。 「あの場所は魔所でねぇ、自殺者が後を絶たんのですわ。見通しも良いし人目に付くのにも関わらずねぇ」 真奈美はあの光景を思い出し、仲間に加えられるところだったのかとゾッとした。 「ただぁ…前にもアンタみたいな人居たんだけどね、その人は横に、黒いシャツの男が立っていたっていうんですわ」 順番がずれたんでしょうかねぇ…と警官は言った。 もう二度と、あの橋で死にたいなんて考えない。 真奈美は月すらない真っ暗な空を眺め、心に決めた。 ―終―
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