1人目のお客様。

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「失礼しました。」 呆れて外に出る。 店主が追っかけてくるかと思ったけど追っかけては来なかった。 「やっぱはったりじゃん。」 嘘に決まってる。 でも……。 もし願いを本当に叶えてくれるなら。 私は……絶対に……アイツを……ぶちのめしてほしいって願うと思う。 家に帰りながら、ふと私は思った。 どうやって私はあの店に行ったんだろう? こんな道、全く知らない。 でもふらふらと歩いてるうちに気がついたら家の前にいて……。 不気味だ。 今日はさっさとすることして寝ちゃおう。 私は足早に歩いた。 「ククク。お客様。招待状を渡したのに。願いを言わずに行ってしまうとは。」 「なかなか興味深いですねぇ。また会う日を楽しみにしております。」 一人言のように店主は不気味な笑い声をあげながら呟いた。 「またのお越しをお待ちしております。ククク。お客様。」
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