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俺の名前は桜花龍虎(オウカ タツトラ)。
周りのみんなは「タツ」と呼ぶ。
去年、高校を卒業して、地元の大学に入学した。
授業とバイトの繰り返しの生活をおくっている、ごく普通の大学生だ。
趣味も別になく、家に帰ってもすることはない。
たまに、隣の家に住んでいる幼馴染がオンラインゲームを一緒にやろうと奨めてくる。
幼馴染の名前は天崎熱人(アマサキ ネツヒト)。
俺はネットと読んでいる。漢字の通りである。
そして、あだ名の通りネット廃人である。
ネットはやたらオンラインゲームを奨めてくる。
俺はパソコン苦手だし、ゲームもさほどやらない。
仕方なく付き合うこともあるが1時間もあれば、ことごとく俺が飽きる。
飽きたらまた違うゲームを奨めてくる。その繰り返し。
でも、先日、ネットはいつもと違う雰囲気でオンラインゲームを奨めてきた。
この世でまだ見たことも聞いたこともない、夢のようなゲームが開発されたと。
パソコンメーカー、オンラインゲームで有名な『ドリーム』という会社が新しく発表した、『ON-LINE』というオンラインゲームである。
ドリームは世界的に有名なパソコンメーカーで、世界のパソコンのシェア率が90%を超えるという驚くべき会社である。
もちろんネットも俺もみんなドリームのパソコンを使っている。
そのドリームがリアルにゲームの世界が体験できる、すごい装置を開発した。
ヘルメットとヘッドフォンをくっつけたような形で、耳から特殊な音を流し、脳に刺激を与え、ゲームの世界に入り込むという、夢のような装置だ。
ゲームの世界に入り込んでいる時は体は睡眠状態になる。
こんな危ない装置をつかって遊ぶのが『ON-LINE』ってわけ。
暇だし、いつものようにネットに付き合ってやる感じで、俺は『ON-LINE』をやってみた。
そして、そこからなにもかも始まった。
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