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ふわっと背中を突風に押される。
横を見るとあの子はすごく高いところまで飛び上がっていた。
ボクの体も少しだけど浮き上がっていて、この下駄はきっと空を飛べる下駄なんだ。
「どうしてそんなに高く飛べるの?」
「そんなの、風を捕まえれば良いだけさ」
あの子はふわふわと風に乗り、楽しそうに飛んでいる。
ボクは次の風を待って、思い切って飛び乗ってみた。
ふわりと桜の花びらと一緒に高く飛び上がり、桃色の雲を遥か真下に眺めながら自由に風に乗った。
男の子とはぶつかり合い、押しあったりして、ずっと遠くまで見渡せる山々を見ていた。
緑や桃色、時々車が走ってて、いろんな鳥が飛んでいて。
大きな湖が見えた。
湖はきらきらと光を反射して、きっといろんな魚や生き物がいるんだろうな。
「今度会ったら見に行こう」
「また遊ぼうね」
ボクらは約束して、友達になった。
そして、不思議な春休みは終わった。
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