こんな、夢を見た。

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 落ちる。  水晶の谷を壁沿いに滑り落ちる。  肩には黒い猫、ガリガリと音を立て水晶が砕け落ちる。  何故落ちているのかは既に覚えていない、とにかく減速する為に壁に踵をかけ落ちる。  しかしそれも、壁が窪んでできなくなった。  真っ直ぐ落ちていく先は川。  透明な水をかき分け泳ぎ進むと、水の中に真四角の島が見える。  そこまで何とか泳いでいくと肩に乗った猫が島に降り、じっとその先の水中を眺めている。  隣に並び水中を見ると、その先は学校…どうやら時計塔に乗っている状態らしい。  水底に一人の学生、向こうを見ていて顔は見えない。  思い切って水に入り、ゆっくりと校庭へと降りていく、猫も肩に降りてきて音もなく学生の背後に降りたった。  学生は、じっと前を見て立っている。  水底にいて息ができるのが不思議でならないが、それよりも彼が何を見ているのかが気になる。  隣に立ち、彼の顔を見て驚いた。
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