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「お前と同じ顔だな」
黒い猫が学生を見て目を細める。
「お前は俺か、それとも別の存在か」
訊ねてみたところで答えは出ないが。
視線の先には十数人の人が、渡り廊下に疎らに集まっている。
近づいてみると、互いに銃を向けあっている。
「スタート」
互いに撃ち合い避ける事もなく、瞬く間に辺りには撃たれ倒れた人達の輪。
しかし暫くすると皆立ち上がる、当たったのに怪我一つなく平然と。
「君、直ぐに死ねないのか。具合が悪いのだろう、保健室で休みなさい」
教師らしき者が一人にそう語りかける。
「あの蜂は何故死ねたのだろう」
「蜂…蜂が死んだのか」
隣に同じ顔を持つ学生、この学校にいる者は皆死ねないらしい。
ああやって、一時的に死んだような状態を繰り返して死んだという事にしているようだ。
「君は外からきたのか」
「あぁ、あの時計の上から降りてきたな」
「気をつけろ。君なら死ぬ事がわかるかもしれない」
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