こんな、夢を見た。

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 同じ顔を持つ学生は悲しげな顔でそういった。  目の前が暗くなる。  目を覚ますと棺の中、外から猫の声。 「目を覚ましたか」 「これは、どうなった」 「蜂の代わりらしいぞ」  どうやら死を悟る為の実験台とされるところらしい。  猫の話ではいろんな機材が取り付けられているようだ。 「まだ生きているか」 「その声は先程の学生か」 「俺が代わりになる。お前は早く元いた場所に戻れ」 「それじゃお前が死ぬ事になる」 「俺は死なない」  棺を開けられ、半ば無理矢理外に出され入れ替わる。 「バレる前に逃げろ」  学生を棺に、障害物の多い場所を選んで逃げていく。  植物の多い中庭を右手に、肩に猫を乗せ走っていく。  植物の切れ目に石像が見えた。  近づいてみるとそれは背中側らしく、かなり広い背中が何の石像かを判じにくくさせている。  ゆっくり時計回りに石像の周りを回って、それが何なのかをしっかり確認した。
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