Chapter0

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 私は嘘が好きだった。  皆は嘘が嫌いとか言うけれど私はそうは思わない。  嘘は私を守ってくれる。  親より先生より警察より、いつだって嘘は私を誰よりも守ってくれるんだ。    そして今までの人生もこれからの人生も、私は嘘つきで生きていく。  そのつもりだったんだ。  これから話す話しは世の中には関係無い、私っていう枠組みで切り取られた世界の物語。    私は当たり前みたいに人のことを好きになって―――嘘つきを止めたんだ。
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