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鉄人間は着地するとまた1つ、大きく跳躍し、グランドの中心で止まった。
「ゴセゼロググレ」
発する言葉はそれだけ。
その言葉が理解できる……とかいう展開も無い。
なんだか、懐かしい気はするんだけどな。
じわじわと強められる、首を絞める力。
「ッカ……」
意識は朦朧とし、息は途絶え掛けていた。
こんなに苦しいのは、初めてかも知れない。
周りには先生、生徒たちが集まって来たようだ。
「やめなさい!」
誰か……先生(?)がそう叫ぶが、鉄人間は全く動じない。
他にも、防犯用の棒を持った先生(?)が鉄人間に近寄ったが、片手で跳ね除けられた。
先生たちは、助けてくれようと一生懸命なんだな……。
まあ、自分の働いている学校で生徒が化け物に殺されたってなるのが、嫌なのか。
頼りになるのは自分だけ。
何とかして逃げる為、体を動かそうとするが、既に手足の感覚はない。
動いているのか、そうでないかも分からない。
分かるのは頭が熱くなる感じだけだった。
苦しいのは身体的にも精神的にも嫌いなんだよ……。
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