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だたの中学生。
小説や漫画が好きだが、そういう奴が何かしらあって英雄になる話はよくある。
でも、2次元と3次元には、ちゃんと区切りを付けていた。
魔法や超能力、萌えキャラ、都合の良いこと……。
全部、この現実世界に置いては有り得ないものだ。
魔法や超能力は確かに、あるけど存在が確認されていないだけかも知れない。
しかし、どのみち、それらに巡り合う確率が低いことは、分かり切っている。
別に、才能がないことを悲しんでもいなかったし、それが欲しいなど思いもしなかった。
朝7時に起きて支度をし、学校に行く。
吹奏楽部の練習をし終わって夕方6時に帰宅。
土日は友達と遊んだりする……。
何も変わったことのない、平凡な毎日。
退屈とは感じたことがない。
自分みたいな人間は、生きる価値も少なく。
小説の主人公みたいに、華々しくエンディングを迎えることもない。
生きたいから生きてるんじゃない。
死ぬのが怖いから生きてるんだ。
生きることに、意味なんて、無い。
それらの思いを破ったのはこの日……あの瞬間からだ。
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