第1話【疾】

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 だたの中学生。  小説や漫画が好きだが、そういう奴が何かしらあって英雄になる話はよくある。  でも、2次元と3次元には、ちゃんと区切りを付けていた。  魔法や超能力、萌えキャラ、都合の良いこと……。  全部、この現実世界に置いては有り得ないものだ。  魔法や超能力は確かに、あるけど存在が確認されていないだけかも知れない。  しかし、どのみち、それらに巡り合う確率が低いことは、分かり切っている。  別に、才能がないことを悲しんでもいなかったし、それが欲しいなど思いもしなかった。  朝7時に起きて支度をし、学校に行く。  吹奏楽部の練習をし終わって夕方6時に帰宅。  土日は友達と遊んだりする……。  何も変わったことのない、平凡な毎日。  退屈とは感じたことがない。  自分みたいな人間は、生きる価値も少なく。  小説の主人公みたいに、華々しくエンディングを迎えることもない。  生きたいから生きてるんじゃない。  死ぬのが怖いから生きてるんだ。  生きることに、意味なんて、無い。  それらの思いを破ったのはこの日……あの瞬間からだ。
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