第1話【疾】

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 ガッシャーン! 「なっ!?」  何かが割れた音に驚いて、音がした方向、窓を振り向く。  そこには、砕けて床に散乱するガラスと、それに混じって輝く、鉄の球があった。  球は、パチンコ玉くらいの大きさだ。  抱く疑問は、騒ぎ始めるクラスの大半の生徒たちと同じ。 「誰かが投げてきたのか?」 「でも、外は森だし、ココは2階だぞ?」 「じゃあ、どこからパチンコ玉が?」  そんな中で1人、皆とは違う行動をしている。  黒眼鏡で吊り目の学級委員だ。  ホウキとチリトリを掃除道具入れから取り出す。  ……冷静だな。  お前のそういうところ、尊敬するよ。  そう心の中で呟いて、片付けを学級委員に任せ、廊下に出ようとした。  尊敬するだけ。あとは知らん……。  薄情といわれても仕方ないが、本の続きが気になるんだよ。  それに、誰かを助けたり、好きになれたりする程の余裕やゆとりは、持っていない。  自分にとって、最優先なのは自分自身。  俺は自己中?  違う。何故なら、他人に迷惑は掛けていないのだから。  ……だから言ったろ?  俺が生きている価値は無い。  確かに、パチンコ玉が誰が何処からどうやって射ち込まれたかは気になる。  でも、それを探ったところで俺には何もできないし、する気もない。  その時
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