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ガッシャーン!
「なっ!?」
何かが割れた音に驚いて、音がした方向、窓を振り向く。
そこには、砕けて床に散乱するガラスと、それに混じって輝く、鉄の球があった。
球は、パチンコ玉くらいの大きさだ。
抱く疑問は、騒ぎ始めるクラスの大半の生徒たちと同じ。
「誰かが投げてきたのか?」
「でも、外は森だし、ココは2階だぞ?」
「じゃあ、どこからパチンコ玉が?」
そんな中で1人、皆とは違う行動をしている。
黒眼鏡で吊り目の学級委員だ。
ホウキとチリトリを掃除道具入れから取り出す。
……冷静だな。
お前のそういうところ、尊敬するよ。
そう心の中で呟いて、片付けを学級委員に任せ、廊下に出ようとした。
尊敬するだけ。あとは知らん……。
薄情といわれても仕方ないが、本の続きが気になるんだよ。
それに、誰かを助けたり、好きになれたりする程の余裕やゆとりは、持っていない。
自分にとって、最優先なのは自分自身。
俺は自己中?
違う。何故なら、他人に迷惑は掛けていないのだから。
……だから言ったろ?
俺が生きている価値は無い。
確かに、パチンコ玉が誰が何処からどうやって射ち込まれたかは気になる。
でも、それを探ったところで俺には何もできないし、する気もない。
その時
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