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「福村さん、少しお時間大丈夫ですか?」
「良いですけど小谷さん・・・大丈夫ですか?最近忙しそうですけど」
「ええ、最近若手の芸人さんが多くなってきて、色々と手続きやら何やで忙しくて…。でも、実力は有るのにテレビに出られなかった人たちが売れていく姿を見られるだけで元気になれるので大丈夫ですよ」
そういって彼は照れくさそうに頬を掻いた。
「……凄いですね小谷さんは」
「そんなこと無いですよ、福村さんだって芸人さんとして視聴者に笑顔を届ける仕事をしているんですから。でも…大丈夫ですか?」
「え、何がですか?」
「最近元気が無いように感じて…。」
「私でよかったら何か悩みがあるなら言ってください。話だけでも聞きますから」
「……ありがとう小谷さん」
こんな俺を心配してくれるマネージャーに嬉しさと、申し訳ない気持ちで俺の心は重く圧し掛かってきた。
俺はもうこれ以上心配をかけさせないためにも、これまで以上に笑顔でいることにした。
でも、そんな俺の行動がより周りを心配させるとは今の俺は気づけなかった。
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