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「今日はホンマ寒いな、ジャケット持ってくれば良かったよな」
「この後のロケ弁は日の丸らしいで」
「この前映画を見に行ったんだけど、そこにいた人がうるさくて全然内容が入らなかったよ」
「さすがに俺もそいつに言ってやったんだよ・・・・・福ちゃん聞いてる?」
最初は適当に相槌を打って聞いていた俺だったが、仕事に関係の無い話ばかりだけでは無く、会ったことも無い人の事の愚痴まで聞かされ続けられさすがの俺も少しうっとうしく感じ
「ああ・・聞いている、聞いている。友人と映画話に花が咲いたんやろ。竜崎さん…オレ疲れとるんや。もういい加減帰ってもいいか?」
「全然聞いてないやないか!ハァー、冷たいな。昔の福くんならちゃんと俺の話聞いてくれたのに…」
今の俺にとって1番聴きたくも無い言葉が耳に入り、ついにオレは切れた。
「・・・・・そりゃあ、昔の俺みたいに優しくなくて悪かったな」
そう言って俺は壁際に置いていた荷物を持ち、楽屋から出ようとした
「ちょっ、なんでそうなるんだよ!?」
そんな俺の行動に驚いた竜崎さんは帰ろうとする俺の腕を掴んだ。
「……はなせよ」
怒りのせいか、もしくは聞きたく無かった言葉を言われ俺の声は、少し裏返った気がする。
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