たまご

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たまご

独りだと嘆いてまた独り 真っ白な世界で僕はこの中浮いているんだろうか 地を教えてくれる影はなく 光は全て飲み込まれたようで 絵の具をぶちまけてキャンパスにしよう できないのならば僕の血でもいい なんでもいいから描かせてくれと心は軋み泣き叫ぶのに 光る涙は流れることを許されず 傷つけた体からは血も出ない 夢中で振った手は行き場を失くした 焦燥感 劣等感 孤独感 不安感 どれも勘違いだと気づくのには 此処はあまりにも寂しかった 風も水も何も感じない 本当は僕もここには居ないのだろうか 僕の歌は僕の耳にすら届かない ねえどうかこの殻を破かせて
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