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雨奏
迫り来る暗雲 強い風
遠ざかる澄空 追う瞳
吹き散る枯れ葉
舞い散る木の葉
平穏は雷鳴に掻き消された
巡り這う意識の彼方
潜り悟る認識の欠片
錯綜する領域と思想
迷走する方途は散逸
遂には絡まる記憶の反復
疾うに曖昧な余裕は消えた
膝を着いて 降り出す雫
声を止めて 作り出す時
服を肌を濡らして奏でる
今を否と拒絶して留める
無色の水滴は熱を知らない
冷たさだけ近づけて
凍える心だけ体に落として
途切れ途切れに反芻する
温もりの間を信じた
甘える自らを戒め拒絶する
空が開けるまでの時
雲が晴れるまでの間
身を叩く数多の雫を受ける
過去の罪を洗い流すように
今という瞬間を噛み締めて
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