2人が本棚に入れています
本棚に追加
闇に包まれた工場らしき廃墟で、けたたましい銃声が響き渡る。
「………さっさと回収して帰りてーよなぁ……。お、ラスト。てかなんでこんなめんどくせーこと……」
黒色のサポートスーツを纏った一人の男が呟き、兵士と思われる男の頭部を金色の銃弾が撃ち抜く。
頭部から血飛沫を上げ、痙攣しながら地面に倒れた。
辺りには血、命を刈り取られた肉片。
そして、透明の球体型のカプセルに封印された一人の少女。
「……ゲイン隊長」
「わかってるっつーの! 野郎共、あれを回収し、本部に……」
「ちょっと待ったぁぁぁぁッ!!」
男が言い終わる前に、何者かが大声で叫び遮る。
「ちっ、面倒臭い……。今日は厄日かよ……」
男は警戒することも、驚くこともせず、左手で部下達に下がるように指示する。
そして舌打ちした瞬間、二階から二人の人物が飛び降り、軽やかに地面に着地した。
「おいおいおいッ!! てめぇら! 俺らの島でなにしやがるんだッ!」
一人は腰まである長い赤髪をゆらし、唾が飛ぶほど怒鳴る女性。
「あぁ、もう……。なにしてんだろ僕。もぅ嫌だ……最悪だ」
もう一人はぶつぶつとなにかを呟きながらうなだれる茶髪の少年。
最初のコメントを投稿しよう!