もう一度、夢の中で

１

「そんなこともあったよな。懐かしい」

隆二はビールを片手に思い返していた。

「そりゃいろいろあるわな」

おれたちは小学生の頃から一緒にいる。なにか意図するわけでもなく自然と一緒にいた。気付けば15年近く経っていた。

人と人の繋がりは、おおよそこんなものだと思う。誰かが考えた筋書きに従い 出会いと別れを繰り返す。だからこんなに綺麗で残酷なんだ。

隆二はズボンの後ろポケットから青い定期入れを出した。

「懐かしいねえ」

定期入れには写真が入っている。小さめにカットしてある写真には四人の少年が写っている。

「いつもそんなもん持ってんのか？気持ち悪い」　

武志はこう言ってるがどうせこいつも持っている。

もちろん、おれも持っている。
赤い定期入れ。それからさくらとの写真も入っている。