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2年ぶりに授業を受けて、初めて勉強が楽しいと思えた。 あんなに嫌いだった勉強がこんなにも楽しいなんて。もっと早くに気が付けばノーベル賞だって取れたかもしれない。 長いはずの授業がすぐに終わるとクラスのやつらは足早に教室を出ていった。 各々が部活やら塾やらと散り散りになるといつもおれたちが残った。 「武志、今日バイトあんのか?」 隆二が聞いた。 「いいや、休みだ。なんかするか?」 武志は疲れきった顔をしている。 「なんもすることないね」 慎太郎は少し大きめのリュックを抱えている。 部活も塾もないおれたちはどこかで暇を潰すかバイトかのどちらかだった。この頃は毎日遊んでいた気がする。
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