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「久しぶりに海行こうぜ」 おれたちはたまに海岸の埠頭へ行き時間を潰した。 水切りなんかが意外と楽しかったりした。ふと思い出して行きたくなった。 「アキちゃんよ、こないだ行ったばかりだろ」 「え?そうだっけ」 「まあいいじゃん。行くとこないんだし」 「そうだな」 おれたちは歩いて海岸へ向かった。どうせ時間を余すからバスは使わない。車がないことを少し不便に思った。 だけどこうやって歩いて行くのが好きだった。ただ話しながら行くだけですぐに着く。こいつらといる 時間を長いと感じたことなどなかった。 秋の清んだ空の下で虫たちが静かに鳴いていた。その中をおれたちはゆっくり歩いた。 海に着くとそっと潮風に吹かれた。
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