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石ころだらけの海岸を武志が走り出した。
隆二と慎太郎が大きめの岩に腰をかけた。
慎太郎は少し背の小さな短髪少年。ぱっと見だと中学生でも行けるだろう。
根の優しい友達想いの真面目な男。おれは慎太郎を見ていた。この慎太郎が殺されてしまうなんて許せない。
急に怒りが込み上げてしまった。
「なんちゅう顔してんのよ」
隆二がおれの方を見た。
「どうかしたの?アキ」
慎太郎がいつものように心配をした。
「慎ちゃん」
おれはなにか言いたかった訳じゃないのに名前を呼んだ。
「なに?」
慎太郎はリュックを重たそうに抱えている。置き勉をしたことがなかった。
「ジュースでも奢ってやるよ」
とっさに言ってしまった。
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