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何日か過ごすと学生生活も慣れてくる。いよいよ勉強がいやになってきた。好きな教科は良いんだが嫌いな教科は本当に退屈する。 退屈しては前の席にいる隆二にちょっかいを出すが怒られる。 慎太郎もいたって真面目に勉強しているので、最終的に隣の武志と暇潰しをする日が続いた。 でも毎日が楽しかった。 冬の近い秋、吐息が白くなる季節。辺りの木々は紅葉が散り去って裸になっている。 「アキ、今日も暇人か?」 放課後になるといつものように武志が聞いてきた。 「いや、今日は委員会があるんだよ」 「はい、出ました。美化委員」 「お前も図書委員会あるだろ?」 「サボるに決まってんだろそんなの」 おれたちは普段何もしていないからというなんとも理不尽な理由で無理やり委員会に入らされた。 おまけにムカつくのが隆二と慎太郎はこれを免れた。成績が良いという理由だけで。 なんともおかしな社会である。
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