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由紀は目立ってはいないだけでとても可愛いらしい子だった。
徐々に頭角を現して他校でも有名になるほどである。
とてもおしとやかな子で野蛮な男どもを嫌った。男と笑い合っている姿などほとんどなかった。
それでも昔から知ってる男なんかとは気軽に話したりしてるのを見て少し羨ましかったのを覚えている。
だから、いまのうちに仲良くしておこうという魂胆である。
「武志、学校をキレイにするなんて素晴らしいだろ」
おれは全く思ってないことを言った。
「なんでいきなりお利口さんになったんだよ」
武志は寂しそうな顔をした。
「お前も委員会行けよ。似合ってるぞ図書委員」
隆二が横槍を入れた。教科書だって読んだことないであろうこの男が図書委員をやるというのが実に滑稽であった。
「待っててあげるよ」
慎太郎も笑いながら言った。
二人で委員会へ向かった。武志はぶつぶつ文句を言っていた。
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