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由紀は真っ黒な髪を長く伸ばし眼鏡をかけている。いかにも地味な女の子である。
ただ、この長い髪を切り眼鏡をコンタクトに変えることによって覚醒にいたるわけなのだ。
「よろしく」
由紀の声は、か細く小さかったが丸みを帯びたような美しさがあった。
委員会は偉そうな学ランがべらべらと喋るだけで終わった。
その間はずっと由紀と二人で話していた。思ったよりも明るい子で驚いた。
周りの人たちは無駄な時間を過ごしたと言わんばかりの顔で教室を出ていった。
「今日はありがとう。暇しないで済んだよ」
由紀は去り際におれの方を見て呟いた。
おれは有意義な時間を過ごしたと言わんばかりの顔で教室を出た。
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