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その日は秋の終わりとは思えない晴天。脱け殻の太陽はまだ灼熱の炎を空一杯に広げていた。
「あちー、最高の天気だな」
武志は腕を伸ばし、目を細めながらながら満点の笑みを浮かべた。
「良かった。この時季にサッカーとか言うからどうなるかと思ったよ」
隆二は珍しく学校指定のジャージを上下で着ている。
「隆二、ダサい」
この高校の指定ジャージを着る人はあまりいない。緑の中から緑だけを抜き取ったような真性の緑色をしている。おまけに横に黒いラインが入っていてスイカにしか見えない。
「仕方ないだろこれしかないんだから」
「スイカーマン、おれたちの出番はまだかい?」
「もう少しだから。先に向かおう」
「スイカーマン、おれたちはAグラウンドでいいんだよな」
「そうだ」
「スイカーマン、今日はサッカーですね」
おれと武志で散々にしたせいで隆二はしばらくの間、口を閉じた。
球技大会はクラス対抗で行われるもので競技はいくつかあった。おれたちはサッカー。あのときと同じである。
じりじりと焼けつくグラウンドの砂が舞っている。おれたち三人は脇にある草むらに座り込んだ。
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