僕のママ

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ああ! どうしてこんなことに!!! 僕は苛立ちから側にポイ捨てされていた古ぼけた赤色の缶を蹴りつけた。 だけど僕の爪先は缶の芯には当たらずに、端をかすったせいか、 缶は僕の思い描いたようには飛んでいかずに、からんと音をたて回転しただけだった。 よって僕のイライラは収まるどころか幾分か加算された。 いけない、落ち着け。と取り敢えず落ち着くんだ… ふぅーっと深呼吸を一回。 まずは状況を整理してみよう。ただ焦ってても事態は悪化するだけだ。 財布はどこのポケットにもない。 まさかと思い、念のためリュックも見てみるが予想道理見当たらない。 と、するとやっぱりどこかに落としたとしか… 塾に入るためには財布に入ってる「認証カード」が必要な訳だから、 塾に入る時には財布はあったということになる。 財布を塾内で取り出した覚えもないし、 ポケットに何かを出し入れした記憶も特には…………………ん? そう言えば塾を出たときあまりに寒くてポケットに手を突っ込んだような…。 そうそう、そのとき靴ひもがほどけてたのに気付いて、 直そうとしてポケットから手を出したんだ! それからしゃがんで結び直してから立ち上がろうとして、 不良とぶつかって…………………!! きっとそこだ! 僕は駅を離れ、小走り気味に来た道を引き返し始めた。 .
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