～36代目の猿坊主～

～召集～

穏やかな春先の朝。

今日も光鬼の修行は続く。

「えぇーと今日は、瞬身という空間移動の一種となるものを行う。これを取得すれば、長距離の移動も自由自在だ」
淳一が瞬身についての説明を行う。

「瞬身?､､､､､､､､あぁあれか!俺がなんか石触ってどっかいった時のやつか!」 瞬身と聞いて、過去の記憶を掘り起こす光鬼。

「んまぁ、あれも空間移動の一種だからさほど違いはない。ただあれは前もって記録されていた場所への移動であり、今回の瞬身は、自分のイメージを膨らませてその場所に移動すると言うものだ」
猿が、光鬼に説明を行うが光鬼はその時点で深い集中モードになっていた。

「どこへ飛べばいい?」
目を閉じたまま、猿に問いかける光鬼

「そうだなぁ､､､､､､､､まぁここから100メートル先に飛べば充分だろ。いけそうか?」
少し光鬼の力量をはかりながら、光鬼の問いに答える猿

「あぁ余裕だよ!」
と、いいながら額に汗をひたたり流し、不敵な笑みをうかべる光鬼。

「行ってこい!」
たかが100メートル先の事なのに光鬼が何処かへ行くような言いぐさで言う猿

行ってこい!の声と共に光鬼は、その場から消えた。

「ここは?､､､､､､､､前に来たことがある!確か第四卯試練場！」
今の光鬼には、ここが限界であり、ここが光鬼にとって大きな意味をなす場であった。