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光鬼が手を開いたら、手の中には[☆]のマークが示されていた紙があった。
前にも同じ様な感覚に駆られた事があった。
それは、光鬼が中学三年生の頃修学旅行へ行く班を決めるときであった。光鬼達の学級はクジ引きで班を決めることになった。その時は、☆、○、□、△という4つのマークがあり、それぞれ六個ずつ箱に入っていた。
その頃から内気で、自分は結局最後にクジを引く事になった。
そしてクジを引いた。
[☆]であった。
修と同じ班になった。
その時は、もっと良い意味で心がドキドキしていた。
しかし、今はどす黒い何かに心臓をコントロールされているみたいな感じだ。
もしかしたら、従兄弟である海渡を自らの手で殺めなくてはならないという状況になる。
最悪の事態が頭をよぎり回った。
1人のがたいのよい受験者が
額に汗を滲ませながら紙を上に上げ、
「俺は☆だ!」
と、図太い声でいう
☆と言う言葉を聞いて心臓が破れそうになった。
そうすると、海渡が
「俺は○だ!」
と、いい
海渡に続きメガネをかけているひょろそうな人が
「私は貴方と同じ○ですよ」
と、上品な喋り方でいう
「あっ僕、あっいや俺は☆だ」
と、普段自分の事をなんて呼んでいるのかが分からなくなるくらい、テンパっている光鬼。
これにて、光鬼を含めた四人の対戦相手がそれぞれ決まった。
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