新たな予感

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メグが死んだことを知ってから、約1月が経った。 俺は今高校の修学旅行で沖縄にきている。 本当は来る気はなかったんだけどな。 一応お金も払ってあるし...。 この修学旅行では、ホームステイ、ダイビング、戦争についてなど様々なプログラムが組み込まれている。 俺はこの修学旅行で彼女との繋がりが既に築き上げられつつあることをまだ知らなかった。 そして今日はホームステイの日。 ざわざわ、ざわざわ 「皆早くバスに乗れよ!」 ホームステイ先までは各班バスで移動する。 「じゃあ5班はここだ。」 俺達は山の麓辺りの民家で降りた。 「今日一日お世話になります橘高校の川嶋です。よろしくお願いします。」 「私は~です。」 「僕は~です。」 各班員が挨拶を繰り返していくなか、 「雪村といいます。よろしくお願いします。」 彼女は雪村沙恵。 今はただのクラスメートであり、たまたま班が一緒になった女の子だ。 俺達はさとうきび刈や海に行くなど、色々な体験をした。 そして晩御飯の時、 一人の女の子が皆にご飯を取り分けていた。 「川嶋君はどれぐらい食べる?」 「そんなもんでいいよ。」 その時、 「川嶋君以外とあんまり食べないね。」 「えっ?あぁ。そうだな。」 それがおそらく雪村と初めて交わした言葉かもしれない。 その後、様々な体験をして俺達は京都へ戻った。 この時はまだ、何の感情も抱かず冷たい心のままだった。 この時はまだ...。
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