日常演舞

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冷たい風が肌へと刺さる 風が吹くたび 僕の背は丸くなる。 下を向き 急ぎ足で下校している僕。 別に急ぐ事などないのに 前方から外走の陸上部が走ってくる 独りで帰ってるのが少し恥ずかしくなり 携帯を取り出し メールを確認するふりをする。 わざとらしく 大きく鼻を啜れば 少し強気になれた気がした。 鼻を啜りながら 帰宅すれば 母さんが「命(みこと)お帰り!」と部屋を暖め待っていてくれた。 ただいま、と目もろくに合わせずにPCへと向き合う 開いたサイトは いつもと変わらぬチャット アニメ好きのオタクが集まるような場所だ 別に僕はアニメが好きなわけでもないし、興味もない ただチャットに居ると周りのオタク達よりも勝ち組になれたような気がしたからだ。 ただそれだけ。 そもそもチャットに出入りするようになったのは ブログで知り合った奴に誘われたからだ。 僕は興味こそなかったが 行ってやるか、という感じでチャットに出入りするようになった。 ブーッブーッ 普段鳴らない携帯が鳴く メールを開いてみれば ブログで知り合った奴だ 「ごめん(*с*) 俺今日チャット行けないわ、また今度話しませう♪」 僕を待たせておいて この文面だ…。 腹立たしいこと、この上ない。
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