再始

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ある冬の朝。 既に起床していた少女は、玄関に出て投函を確認した。 「……あ」 郵便受けには一通の手紙が入っていた。 学生の独り暮らし故に新聞は採っていないので、郵便受けにはその一通しか入ってなかった。 差出人の名前が封筒には書かれていなかったが、外国の切手が貼られていたので、少女は誰からの宛てられたモノなのか分かっていた。 自分の部屋の中に戻った少女は、その封筒を静かに開けて中身を確認した。 中には1枚の便箋のみが入っている。 そこには短く、こう書かれていた。 『もう残り少ない日数、「そちら」で悔いのないように過ごしてください』 それを読み終えた少女は、感情のない声で呟く。 「……そっか」 けれど気持ちを抑えられたのはそこまで。 部屋には鼻を啜る音と共に、少し鼻声になった少女の声が静かに響いた。 「もう、3ヶ月もないんだ。 ───ここに……初音島にいられるの」
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