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私は彼の言っていた話について、初めて誰かに尋ねてみたくなった。
「恐くない…今この時を誰かが読んでいるかもしれない、私達は誰かの想像の産物かもしれない… 私はっ! 私は恐い…この世界がいま見ている物が偽物かもしれないなんて。」
彼女は驚き、そして不思議そうに問い掛けてきた。
「想像から生まれると何故偽物になるの?」少し間をおくと、はっきりと彼女は言った。
「全てが、感じられるものも感じられないものも全てホンモノ。」 今まで胸につっかえていたものと恐怖がその一言で何処へ行ってしまった。 納得したのだと思う。
彼女がいなく成ってからも、怯えて暮らす頃に戻ることは無かった。
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