🎶僕に殺されてしまった君へ

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鈴夜は今日も一人で登校していた。 その美しくも冷たい容姿から話しかけてくる勇者が少ないうえ、本人がとても冷めているうえに無愛想なので話しかけられても全てを完璧に無視するからである。 一応聴いてはいるのだ、返事や相槌が皆無なだけである。 それを知っている幼なじみの龍は鈴夜に話しかけてくる唯一の人に成りつつ有った。 鈴夜や龍が通うのは有名な名門校の、聖十字男子学園である。 鈴夜はその中のトップの成績を誇り、龍はその次におさまっていた。 龍自身も鈴夜以外には話しかけようともせず、話しかけられても一言二言返して話を切り上げてしまう為二人は合わせて、孤高の薔薇組と呼ばれていた。 鈴夜が教室に着くと、龍が飛び付いて抱き着きながら話しかける。 「なぁ、鈴夜今日一緒にあそこいかねえ?」 二人の視線が交差する。 鈴夜(良いだろう、付き合ってやる。) 「了解(`▽´ゞ、じゃあ付き合ってな✨」 二人の会話?が終わると同時くらいに担任が教室に入ってくる。 「HR始めるぞ、今日の当番は鈴夜だ! でも喋れないから俺がやる。」 鈴夜があまりに喋らない為教師達は、勝手に鈴夜が喋れないものだと決めてしまったのだ。 こうして今日も何時もどうりに一日が進んで行く。 だが、今日はある話題で学校中が持ち切りだった。 「恐いだろう、廃ビルのなかで滅多刺しだってさ。 犯人の見当すら付いてないって…」 昼休み、何時もどうりに龍が鈴夜に話しかけながら昼飯を食べていると、一人の女が龍に話しかけてきた。 「ねえ、龍君例の猟奇殺人の事知ってる?」 鈴夜とは種類が違うが容姿の整っている龍に、上目使いで尋ねる女、龍は目を合わせることもなく一言だけYesというと、また鈴夜に話しかける。 女もその態度に話を続けることを諦めると立ち去った。 そして、放課後…
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