幻想入り

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「よいしょっと、ふーこれで終わりか」 俺は夢叶 新一(ユメカナエ シンイチ)。 中卒で働く18歳だ。 「店長、仕事終わりましたー」 今日の仕事も漸く終わり、報告するために店長を呼ぶと店の奥からちょっとメタボなおじさんが出てくる。 「新一、仕事は・・・・ちゃんと終わってるな。 よし合格だ」 「店長、いつまでも面倒臭いので子供扱いしないで下さい。 もう1人暮らしの18歳ですよ」 「あっはっはっは、スマンなぁ。 癖だからなかなか直らんわい」 このおじさんは俺が働く店長であると同時に、俺を養子として育ててくれた義父だ。 俺は義父でもしっかりと愛情を注いで育ててくれた事には感謝してる。 だから俺は少しでも親父に恩を返す為に親父の店で働いているし、これ以上迷惑をかけずしっかりと一人立ち出来るようにわざと一人暮らしをしている。 「じゃあ店長、俺は先に上がります」 「ちょっと待ってくれ!」 俺は荷物をまとめ、帰ろうとすると親父兼店長が呼び止めた。 何だろうと思い振り返ると、親父兼店長は"お給料"と書かれた封筒を俺の前に出していた。 「今日は給料日だろ? 1ヶ月ご苦労様」 「あ、ありがとうございます」 俺はお辞儀しながら給料を受けとるといくら入っているか気になったが、マナーとして店長の前では見ず、1人の時に見ようと思い我慢して荷物の中にしまい込んだ。
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