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頭の中に様々な疑問が沸くなか、早苗は説明しはじめる。
「これも弾幕ごっこのルールで必殺技を発動するにはこのカードを掲げ技名を宣言しなければならないんです」
技名を宣言だと・・・・なんという厨二
「最初は恥ずかしいかもしれませんが、馴れれば大したことでは無いので大丈夫です。 そして必殺技については基本自由に組んで下さい。 頭の中でイメージした技がスペカに記憶されますので。」
「ふーん」
こんな薄っぺらいのに随分高機能だなこれ。 少なくとも外の技術では実現出来ないはずだ。
「因みにどんな技を作るかは自由です。 最近では高難易度の弾幕よりもサポート系、ビーム系などが多いですけど」
「ようは自分の趣向に合ったスペカを作ればいいさ。 大切なのは見た目の美しさと凡庸性だからな。 別に急いでつくるものでも無いから必要に応じて作りな」
「分かりました」
とりあえず、これがあれば漫画の世界みたいな事が実現できるわけか。 面白そうだなぁ、どんなの作ろうか。
「何はともあれ、今日の修行も終わり、説明も終わったから早苗、新一に部屋を案内してやってくれ。 まだ空き部屋あっただろ?」
「分かりました。 神奈子様はこれからどうするんですか?」
「私はここで少しゆっくりしてるさ」
「分かりました。 では新一さん付いてきてください」
神奈子様は賽銭箱に座り空を見つめている。 まるでそこに見えない何かを睨んでいるように。
早苗の急かすような声を聞き、俺は黙って早苗に付いていった。
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「紫、何を企んでいる?」
神奈子は新一達が立ち去ったのを見、虚空に向かって話す
「どういう事かしら?」
姿は見えないが声だけが聞こえる。 そんな異常な状態だが、神奈子は気にしてはない。
「今までの経験上、ここに外来人が送られる事は無かった。 それにあの少年の能力・・・・あれは人間が持つには異質すぎるぞ」
「偶然と気まぐれが重なりあったと言えばどうする?」
「・・・・・相変わらず本音は語らないか。 いいだろう、貴様の真意が分からず不気味だが奴は悪いやつではないからな。 家で預かる。」
虚空からの返事は無い。
気配の消えた虚空を神奈子は少し悩みながら見つめていた。
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