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「んじゃ店長、お先に失礼します」
「ちょ、ちょっと待ってくれ!」
今度こそ用事は無いだろうと思い、帰ろうとすると再び呼び止められた。 今度は何だと思い振り返るとただ親父兼店長が呆然と立っているだけだった。
どうしたのか気になり、近付こうとした瞬間、親父兼店長は口を開いた。
「元気に生きていけよ!」
親父兼店長はそう口にした。 それはまるで遠くに行ってしまう人に対して言うような口調で。
「ちょっ、店長どうしたんですか? いきなり言われると気味が悪いですよ」
俺が言われた感想をそのまま言うと、親父兼店長は頭をボリボリと書きながら言う。
「いやー、何となく今ここで君に言わなければ一生後悔してしまうと思っていてね」
「変な店長。 用件が終わったなら俺帰りますよ」
いつもと様子が違う親父兼店長に疑問を持ちながらも、帰ろうとする。
今度は呼びかけられる事は無かった為、俺は素直に店を出た。
「2、3、4・・・・・5万とちょいか。 まぁこんなもんだよな」
帰り道の途中、給料袋を出し、いくら入っているか数えてみたら、5万と数千円だった。 まぁ毎月の給料はいつもこれぐらいの額だから全く問題ないがな。
そんな事をしてると、一件の2階建てのアパートに着いた。 ここの2階の一番奥の部屋が俺の家だ
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