香霖堂は外来人の溜まり場所

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「あら、珍しい顔があるわね。 1人見たことないけど。 霖之助さん、疲れたからお茶貰ってくわよ」 常連客のような行動、というより自分の部屋のようにどかどか入っていく紅白巫女(仮)。 「全く・・・・ここは茶屋じゃないんだぞ」 「あら、ここは常連客にお茶の1つも出せないの?」 「生憎、僕の記憶には常連の迷惑客2人は知ってるが、常連客には記憶が無いな」 「年をとるって大変ね」 霖之助さんと紅白巫女(仮)が互いに皮肉で会話のキャッチボールをする。 話を聞く限り、紅白巫女(仮)はこの店によく来て、霖之助さんとも親しい仲のようだ。 なんで親しい仲に見えるかって? そりゃあんなにスムーズな皮肉だらけの会話が成立するのは仲が良くないと無理だろ。 「霊夢さん、相変わらずですね・・・・」 「あんたに言われたくないわ。 それよりも後ろにいる奴誰? 知り合い?」 紅白巫女(仮)を改めて霊夢に不意に指を指された。 ちなみに、霊夢は既に湯呑みにお茶を注いでお茶を飲んでいる。 指さされた俺は唐突に振られて困惑していると、早苗が紹介してくれた。 「彼は夢叶 新一です。 最近、守矢神社に来た外来人ですよ」 「ふーん、また紫連れてきたのね・・・・。 それにしても守矢に来るなんて珍しいわね」 「そうなんですよ。 私達もびっくりして・・・・・・」 暇だ。 紹介してくれたところまではいいんだけど、既に話が脱線してるし。 「・・・・・で、神奈子様がですね、内緒に6本も酒飲んでいたんですよ・・・・」 もはや俺の話ですら無くなった。 改めて言おう、暇だ。
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