幻想入り

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「ふー、これから何しようか・・・」 所々錆び付いた金属製の階段を登り、一番奥の部屋の前に着く。 鍵を鞄から取りだし、鍵穴に差し込んでロックを解除し、ドアノブを回そうとしたら違和感を感じた。 「あれ? ドアノブが回らない」 どうやら開いていたのに鍵をかけてしまったらしい。 だが、朝出かける時ちゃんと鍵は閉めたはず。 今朝の事を忘れる程ボケてはいない・・・・・と思いたい。 それでもやはり人間だから閉め忘れる事もある。 そう思い、また鍵を回すとガチャと鳴り、今度はドアノブを捻るとドアは開いた。 やっぱり閉め忘れかと思い、疲れた体で中に入ると普段あり得ない感覚に襲われる。 ───人・・・・なのか? とりあえず何かの気配を感じる!? もしかしたら空き巣さんが絶賛お仕事中かもしれない。 警察に通報するか? いや、それでは遅い。 この辺りには交番も警察署も無いから時間がかかりすぎて逃げられる可能性が高いだろう。 それに早くベッドの上で寝転がり休みたいのが本音だ。 だったら自分で何とかするしかない。 「これでいっか・・・」 玄関近くにある傘を抜き出す。 傘は安っぽいビニール傘などでは無く、ちゃんとした傘だ。 これなら相手が刃物を持っていても何とか防げるはずだ。
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