幻想入り

7/8

37人が本棚に入れています
本棚に追加
/62ページ
「お前はいったい・・・」 俺の呟きに紫は全く反応しめさない。 「うーん、そろそろ本題に移ろうかしらね」 紫は軽く咳払いしてまた話し始める。 「貴方には今ここで私によって殺されるか、幻想郷に来るかどっちか選択しなさい」 紫は幻想郷は私の作り上げた世界の事よ、と付け加え言う。 「はっ? 何がなんだか分かんねぇだけど?」 俺がそう言うと紫はそうねと言いながら手を顎にあて考えるそぶりをする。 「そうねぇ、まずはこの世界に異能な力を持っている者が少なからずいることは知ってる?」 異能な力。それはまるでマンガのような話だった。 ふざけていると思っていたが紫の顔は真面目だったからあながち言っている事は正しいのかもしれない。 「知らん」 「まぁ知らなくて当然よね。 とにかくこの世界には少なからずいるのよ異能な力を持つ者が。 そしてその者は存在するだけでこの世界に悪影響を及ぼしてしまうの。 ここまでお分かり?」 「うん」 「よろしい。 そこでね私は過去に幻想郷という幻想となった者が集まる世界を作ったのよ。 そこなら異能な力を持つ者でも世界に悪影響を及ぼす事も無い。 良い話でしょ? でも中には幻想郷に来たがらない者もいる。 そういう者はしょうがないから私が殺っちゃうの。 世界に悪影響を生み出す前にね。 ちなみにニュースなどでやってる謎の死をとげた事件の3割は私が犯人よ」 紫はスラスラと説明していく。 嘘の欠片も感じさせないように。 この事を要約すると、俺には異能な力を持っている事になるのか!? 「紫、じゃあ俺は異能な力を持っている事なのか?」 「ええ、『理想を現実にする程度の能力』という素晴らしく強大な能力をね」
/62ページ

最初のコメントを投稿しよう!

37人が本棚に入れています
本棚に追加