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喚び出されたその何かは、驚く少年の頭上を飛び越えたかと思うと魔物の前で身を翻す(ひるがえす)。 宙空に光の粒子を振り撒きながらその場で一回転。次に正面を見据えた時には、身体に鈍色に輝く炎を纏っていた。 構わず突進しようとしてくる魔物に向けて炎が舞う。 火の粉の軌跡を描きながら魔獣の顔面で小さく弾けた炎は、そのまま傷一つ与えずに喚び出された何かと共に消えてしまった。 そして、それで魔物の動きも止まったのだ。
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